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一経営者の四方山話

個人的に関心を持っているイシューについて考えたことを書いています。経営、経済、文化、学問など多岐に渡ります。

インタビューの作法

先日、仕事の関係でインタビューされていたんだが、相手の出来が悪すぎて途中で辞めたくなった。何が問題かというと、第一に、インタビューガイドらしきものを作ってインタビューをするのはいいのだが、あまりにそれに固執していて、ちょっとでも外れること…

怪我しやすい選手とそうでない選手の違い

スポーツ選手でも怪我しがちな選手とイチローみたいにほとんど「怪我で欠場」というのが無い選手もいる。この違いには、もちろん体の柔らかさとか普段のトレーニングとかいう要因があるのは分かる。 しかし最大の要因は、実力を100%近く発揮して試合に臨んで…

今我々が生きていくのに必要な「国語力」とは

20代の社員と話していて感じたのだが、ビジネス文書を書かせると、国語力が圧倒的に足りない。それは学校教育で教わる国語力なのではなく、コミュニケーションのツールとしての国語力が圧倒的に足りないことに気付く。うちの娘たちの国語の宿題を見ていて私…

管理職の育成と経営者の育成

経営者の育成を最近よく考える。「管理職の育成」と「経営者の育成」では似た側面と全く異なる側面がある。似た側面としては会社というのは「個人」で戦うところではなく「組織」で戦うところなわけで、その意味でチームワークは不可欠だ。それは管理職でも…

アップル社の「制服」

最近読んだ本にこんなことが書いてあった。 ----- 引用開始 p.137 -----アップルのとある上級管理職がこんな話をしてくれた。昇進を間近に控えていたとき、上司からもしかしたらスティーブ・ジョブズに会えるかもしれないと言われた。そうなったら、かならず…

国際チームのマネジメント能力

大抵の山は一人でも登山できるので、登山という行為は自分との闘いの側面が大きい。しかし、エベレストのような山となると、頂上まで行くのは一人かもしれないけれど、それを支える様々なスタッフがいるわけで、実際は「組織」で登っている。 その意味で高山…

常識という名の偏見

「常識とは18歳までに集めた偏見のコレクションのことを言う(Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. Einstein)」とはアインシュタインの言葉。「特定の状態でのみ当てはまる真実」を「どんな時でも当てはまる真実」と勘…

認識とは不要な情報を捨てること

組織内のポジションが上になればなるほど細かいことは調べたり考えたりする暇はなくなるので、物事の本質にしか興味がなくなっていくものだ。部下からの長ったらしい報告を途中でさえぎって「要するに何が問題なんだ?」とか「俺に何をして欲しいのか結論か…

企業の新陳代謝力とベンチャー企業の出口戦略

「誰に向かって何を売るビジネスを営むのかという事業の「立地」や、売ると決めたものを売ると決めた相手にデリバリーするまでのプロセス(これを私は事業の「構え」と呼んでいます)は、思い立ったからといって、簡単に変えられるものではありません。だか…

早く行きたければ一人で進め。遠くへ行きたければみんなで進め:ダイバーシティ論

アフリカの諺で「早く行きたければ一人で進め。遠くへ行きたければみんなで進め」というのがあるらしい。登山でも同様で、単独行の方が自分のペースで行けるから早く目的地に着ける。団体行動だとボーイスカウトの行進みたいに一番遅い人のペースに合わせる…

時を重ねても自分の中に残ること

本を購入した後に読み始めて「あれ?なんか読んだことがあるような...」と思って調べると、確かに10年前に読んでいたりする。でも再度読んでみると、かなり忘れているので、新鮮に読めたりする。 「こんなに忘れているんだったら、読んでいる意味があるの…

人類の身体能力は低いのに比類ない繁栄を謳歌できているのはなぜか?

万物の霊長と呼ばれる人類と言えども、別に各身体的能力が他の動物に比べて優位にあるわけではない。聴力一つとっても、人間が探知できるのは20ヘルツから2万ヘルツの間のみ。2万ヘルツを超える高音域では、コウモリが真っ暗闇を飛行しながら超音波を発…

芸術作品が創られた時の作業環境を想起すること

『色の力』(ジャン=ガブリエル・コース著、CCCメディアハウス、2016−06−05)という本を読んでいたら、以下の記述があった。 --- quote, p.29 ---- かつては、高名な画家であろうと貧乏絵描きであろうと、ろうそくの明かりだけで絵を描いていた。つまり画家た…

たった10セントでこんなに人間の行動は変わる

『マッキンゼー流最高の社風のつくり方』(ニール・ドシ、リンゼイ・マクレガー著、日経BP, 2016-08-01、原題Primed to Perform, How to build the highest performing cultures through the science of total motivation.)という本を読んでいて、最も驚いた…

「無節操に」自分の仮説を捨てる

何か新しいことをやろうとすると、未知の要素が多いので、仮説をいくつか持って始まるわけだが、実際に始めてみると、自分の立てた仮説の正しさを証明しようという意識が強くなりがちだ。でも、仮説思考の価値を生かすために本当に大切なのは「仮説を証明す…

パーキンソンの法則

パーキンソンの法則というと、私にとっては「仕事というのは、時間があるだけ増える」、だから「役人の数は、仕事の量とは無関係に増え続ける」という内容で記憶しているのだが、それ以外に調べてみて考えさせられたのが:「(一人の求人枠について)完璧な…

顧客の意見 vs. 自分の考え

『イノベーションのジレンマ』のクリステンセンの発見を、簡単にまとめると:失敗した企業は、新しいアイディアを無視したわけではなく、それとは全く反対に、多くの場合、問題になっているテクノロジーを率先して開発してはいる。マーケットリーダーなのだ…

自分が持っている前提を疑う

1900年のニューヨーク市では、一日あたり1100トンの馬糞、220キロリットルの尿が路上に垂れ流されていた。市内では毎年何千頭もの馬が死亡し、市当局が腐って膨れあがった死骸を片づけなければならなかった。都会において馬が諸手を挙げて歓迎されていたわけ…

目標を明確に意識すること

1979年に、ハーバード大学のMBAの卒業生に将来の目標ついてインタビューしたところ、回答と構成比はこういう結果になった。 A 目標を紙に書いた。3% B 目標はあったが、紙には書かなかった。13% C 目標を持っていなかった。84% 10年後、追跡調査をしてみると…

現実的なリスク管理

何らかの不確実性やリスクはビジネスを進めていくうえで避けられないが、最近よく考えるのは、ネガティブな事象が発生する確率を想定するのは困難な場合が多く、発生確率で考えてもしかたがないということ。担当する人、事業内容、時、競合や顧客の環境、な…

選挙と民主主義

「たとえ5000万人が間違ったことを正しいと主張したところで、真実にはならない」(イギリスの作家サマセット・モーム)という言葉を引用して選挙で負けた人たちは言いたいだろうが、民主主義は選挙がすべてなので、負けは負け。負けた候補者が自分が正しいと…

伝記と時代背景

小学生の時にキューリー夫妻の伝記を読んだ時に、科学の発見や発明というのは命がけだな、と思った記憶がある。しかし大人になって、あらためてキューリー夫人とかの話しを読むと、当たり前だが子供の時に気付かなかったことに色々と気付かされる。 『世にも…

人工知能考:いかに悪人がAIを使って悪さをさせないかが大切。

先日、人工知能(AI)の勉強会に参加した。私の問題意識は簡単に書くと:・AIという技術そのものは善でも悪でもない。包丁や核兵器そのものが善でも悪でもないの同じ。使う人によって善にも悪にもなりうる。・つまりAIを使って悪事をなそうとする人々(ISと…

失敗力とリスク耐性

「自分がやったことは大体失敗してきた。しかし、ときにはびっくりするくらいうまく行くことがある。それを味わうと何回失敗しても怖くない」(大村智、2015年ノーベル医学・生理学受賞)という言葉を知ると、要するに失敗に対する感性を低くして、いわば「…

読書というメンタルトレーニング

米国の小学校でボランティアのゲストスピーカーとして「日本の小学校」とか「日本の政治制度」といったテーマで話したりしていたことがあるのだが、米国の学校ってやたらと読書をさせる。国語の授業って要するに読書の授業なんだよね。私が見た中学の国語の…

自分自身のバイアスを自覚することが大切

社会的にハンディキャップを背負っている人たち(深刻な病や身障者を抱える家庭、極度な貧困、シングルマザーなど)に対する社会保障の充実に最も反対する人たちって、そういうハンディキャップを経験しながらも懸命に努力して、いわば立派と言える人生を成…

マーケティング職の候補者を面接して思ったこと

私が事業のマーケティング戦略の概要を説明したら、「事前にずいぶんと論理的に考えているんですね。でも考えている仮説が正しいとは限らないので、そこまで考えずに実際の変化する状況や現実に直面した直感を元にしてアクションをしていったほうがいいんじ…

テレビ番組のネイティブ広告考

テレビ番組のネイティブ広告(native advertisement)の手法を今朝の通勤時に電車の中で考えた。ネイティブ広告とは、例えばtwitterやfacebookがやっているように、コンテンツ(文章や画像や動画など)と同じ文脈で表示される広告で、一見したところすぐに広…

文化の発達とボキャブラリー

その国の特定の文化が発達しているかどうかは語彙(vocaburary)の充実度合いで判定できると思う。英語だと豚と豚肉、牛と牛肉、など肉関係は独自の単語になっている。pig→pork、ox/cow→beefというように。日本語みたいにpig meat(豚肉)というような言い方で…

家族で登山騒動記、学んだ教訓

5月3日に小学生の娘2人を連れて、蓼科山(2531m)に登ってきた。登りの距離で言うと4kmくらいだが、登山口から頂上までの高低差で言うと800メートル程度あるので、一日で昇り降りするには結構きつい。今回の登山は、自分としては色々と反省が多い山登りだっ…

起業家とセールス能力

スタートアップ企業を経営していくのに、何が一番大切ですか(critically important)と外人から聞かれて、前にこんな風にこたえたことがあるらしい。答えた本人の私は忘れていたが、答えられた彼はそれを大切に今まで20年近くも意識してがんばってきたと先…

駅のデザイン

『駅をデザインする』(赤瀬達三著、筑摩書房、2015-02-10)という本を読んだ。各国の駅のデザイン(建物だけでなく、路線図とか道標とかも)を比較して論じたものだ。あらためて思ったが、日本の駅のデザインも悪いわけではないのだが、世界でも断トツにデ…

マーケティングの考え方の基本

部下と話していてマーケティングの考え方が理解されていないことを感じて、マーケティングの勉強会を定期的に提供している。だいたいこんな誤解を彼らは典型的に持っている。彼らは「"常識的"にはこうでしょう」と言うのだが。 1. ターゲットになる市場は大…

決められたルールとか型を破れない人の言い訳

若手社員と話していて思ったが、決められたルールとか型を破れない人の言い訳はだいたいこれらのどれかに分類される。 <能力の欠如系>1.「私には変える力(権限)がありません」 新岡:では力/権限ある人になるか、力/権限ある人を説得しなさい。そのくら…

「ハラル対応」の持つ意味合い

ANAの機内食のメニューに「ハラル対応」の食事があるのに感心した。イスラム教のハラルに対応しているということは、豚肉を使用した製品、ゼラチン、お酒、アルコールより抽出された香味成分、うろこやひれの無い海洋生物の肉は使用していない、ということだ…

登山用マップと戦略思想

山登りのルートを調べていて気づいた。山登りのルートのそれぞれには、昔から山登りしてきた人たちの「戦略思想」を感じさせる。ただ単に獣道を人が歩いて踏み固めらてできた道、というような単純なものではない。 通常山登りのルートの始まりは沢沿いで、し…

既存の枠組みを信じてはいけない

『0ベース思考』(スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー著 Think Like a Freak, by Steven D. Levitt and Stephen J. Dubner)を読むと、ホットドッグの早食い競争で優勝した小林尊(たける)さんの話が出てきて、おもしろい。私はこの本で彼…

「眠ったら死ぬぞ!」は嘘

仕事で登山関係の書籍を最近よく読んでいる。『登山のABC 山のエマージェンシー』(木元康晴著、山と渓谷社、2014-08-05)を読んでいたら、あるページで驚いた。 登山中に仲間の一人が滑落したら、上から「おーい、大丈夫かぁー!?」と声をかけてはならないん…

大人の方が子供よりも記憶力は優れている(はず!)

私は子供よりも大人の方が記憶能力は本来は優れている、という考えを持っている。 理由1.潜在意識と顕在意識幼少の頃に外国暮らしを始めると、大人よりも子供の方がローカル言語の上達において早い場合があるのは事実だ。しかし、これは言語能力が子供が高…

スタートダッシュできていることが人間は好き

数年前に作った自分のスライドを見ていたら、あらためて「へー」っと思ったのでシェア。『スイッチ』(“Switch: How to change things when change is hard” written by Chip Heath and Dan Heath)というベストセラーがあった。その中に使われているエピソ…

リソースの無駄遣い:国会と医療サービス

国会での質疑応答を見ていると、「こんな質問に答えるのに首相や大臣でなくてもいいよね。役人で十分」と思うことがたびたびある。いわばリソースの無駄遣いという感じ。同じように、医療サービスを受けていても、「風邪だろうが、珍しい病だろうが同じ医者…

頭脳ワークと肉体労働

脳は体重のたった2%にすぎないのに、ヒトは消費するエネルギー全体の20%を脳で使っているらしい。脳みそを必死に使いまくるとダイエットになるかもしれない。 でも、脳みそ使う仕事ばっかりやっていると、ストレスで「ドカ食い」(英語ではbinge onとい…

社会人になってから行く大学・大学院

米国の大学院に留学していた頃、その大学の1年生として母親と娘が同時に入学してくる、ということがキャンパスの新聞に出ていた。そして同じクラスに母と娘が出て受講している写真が出ていた。母親はインタビューで「はるか昔に高校を卒業した時は家が貧し…

日本組織で生意気に生きていけるのか?

「金メダルの感触は?」と聞かれて「は? ただの金属ですよ」と答えたりするくらい、中村修二氏って空気を読まないで発言する人なので、たぶん大部分の日本の組織ではうまくやっていけないタイプだとは思う。しかし、昔のソニーでは盛田昭夫氏は「私は生意気…

相手をどこまで信用できるか

若手の営業担当者と話していると、「今月末までに絶対この案件クローズできます!」と確信を持って話してきても、あんまり信用できないことが多い。実際に月末になってみると、相手方の担当者がその上司を説得できなかったりするからだ。相手をどこまで信用…

上司を鍛える

部下が上司に厳しい質問をするなどして、上司は部下によって鍛えられる。社長が弛んでいるのも、他の経営陣、つまり取締役や部長たちが社長を厳しく問い詰めたりすることが少ないからではないだろうか。(厳密には取締役は社長の部下ではなく、いわば共同経…

話題の映画 The Interview を無料ダウンロード可能にすべし

私がソニーの社長だったら、今回騒動になっている「The Interview」という話題の映画を無料でダウンロード視聴可能なようにばらまきつつ、映画館でも上映する、という解決策を取る。この利点は、 1. 北朝鮮クラッカー軍団が攻撃できない世界中の無数のホステ…

過大評価と過小評価

行動経済学の祖、ダニエル・カーネマンの提唱した理論の中に「人は低い確率を過大評価し、高い確率を過小評価する」という考え方がある。 「低い確率を過大評価」の例として、宝くじが当たる可能性は極めて低いのに当たると思って買う、とか飛行機事故が発生…

勉強と問題意識

昔に読んだことのある本を、もう一度ぱらぱらページをめくると「あれ?こんなことが書いてあったっけ?」と思うと、「せっかく読んだのにもう忘れている」とか思ってちょっと焦る気持ちになったりしたことがある。それどころか、書店で本を購入してきて、読…

旅行先のカナダでドコモのSIMロックフリー端末を使う

カナダへ家族で旅行した時にドコモショップでSIMロックフリーにしてもらった携帯を持って行って、現地でプリペイドSIMを購入して現地で使用して学んだことを、今後カナダや外国に旅行する人の参考になるかもしれないと思い、覚え書き的に書き記す。 私がSIM…