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一経営者の四方山話

個人的に関心を持っているイシューについて考えたことを書いています。経営、経済、文化、学問など多岐に渡ります。

雪の恵み

 久しぶりに雪に囲まれて数日間過ごしていて、こんなことを考えた。

 小さい頃、雪がたくさん降ることは寒いんだから当たり前だと思っていた。雨は一年中降っているわけだから気温が低くなれば当然雪やあられになって落ちてくるのは小学生の私にも想像できた。しかし「寒ければ雪がたくさん降るというわけでもない」ということに次第に気づき始めた。世界では「寒いけど雪は降らない」という場所はいっぱいある。
 今は家族で白馬八方尾根でスキーを楽しんでいるが、スキー場には外国人としてはオーストラリア人以外にロシア人が多いことに気づいた。オーストラリアは事実上スキー場がなく、隣の国のニュージーランドへ行かないといけないが雪質が悪いだとか強風でリフトが止まりがち、だとかいうことで、わざわざ日本に来るらしい。ロシアは十分に寒いが山が少ないので大規模なスキー場がないのだそうだ。
 「Yahoo!世界の天気」で見てみると、モンゴルのウランバートルは現在最高気温マイナス18度、最低気温マイナス23度と出ている。こんなに寒くても雪がたくさん降るわけでもないらしく、モンゴルでは1カ所スキー場があって、人工雪で何とかしているらしい。こんなに寒く、かつ雪が降らないということの意味合いを考えてみるとすごい。
 雪は空気を含んでいるため、保温効果が高いことは知られている。雪でかまくらを作ると、中は結構暖かい。
 雪が地面に大量に降ることによって、①春から必要な水が大量に供給される、ということ以外に、②地面が凍土状態にならずに済む、ということは東北の農家にとっては死活的に重要なメリットだ。春になって雪が融けただけで下の土はすでに耕作可能な状態の土壌状態になっている。つまり凍土ではないため、種植えとかすでに可能なのだ。雪がなかったら、凍土状態になっているわけであるから解凍されて耕作可能になるには、毎年3月とかではなく時期がずれ込んで作物を育てる大きな障害になるであろうことは素人にも想像できる。新潟、山形、秋田などの豪雪地帯が米どころになっているのも当然なのだ。なにせ日本の日本海側の単位面積あたりの降雪量は世界一なのではないかと思う。1927年に伊吹山で観測された積雪量11.82mは世界記録だ。温帯にある国でこれほどの降雪量のある国は珍しい。
 ウランバートルのように雪が降らずに寒いということは地面が凍りついてしまう期間が1年の半分もあるということであり、農耕は自ずと極めて限定されたものにならざるをえない。だから牧畜業などの産業が主体にならざるをえないのだろう。
 雪ゆえに生活が大変になる側面もあるが、雪による恵みの方がはるかに多いのではないだろうか。