一経営者の四方山話

個人的に関心を持っているイシューについて考えたことを書いています。経営、経済、文化、学問など多岐に渡ります。

職業の貴賤

 ロシアの学習おもちゃが「ちゃんと勉強してるかな?成績がよくないと、清掃員の仕事にしか就けなくなるよ」などというセリフが出てきたりする、という話。「おぃおぃ、そんなことを子供に言っていいわけ?」と普通は思いますよね。「職業に貴賤はない。あるのは卑しい人がいるだけだ」というのはマルチン・ルターでしたっけ? どんな職業でもそれが人のためになっているわけであり、さげすむような言い方は良くない。

 この話で、3年くらい前にフロリダのディズニーワールドに行った時に、あちらのスタッフ(crew? cast?)が船の上でマイクを通じて「よい子のみんなはちゃんと勉強しないと駄目だよ。そうでないと、この私みたいにこんなところでの説明員になってしまうよ」などと言っていたのを思い出した。女房も私も「これは東京ディズニーランドとかではありえない!」というリアクション。ディズニーランドとかで働きたい、ということを夢見ている子供たちも多いのに、そのセリフはないだろう。

 歴史的には高く尊敬されていた職業でも今はそんなことがない祈祷師や占い師という職業もあれば、昔は疎まれていた自衛官も東日本大震災での活躍ゆえか今はそんなでもない。医師は尊敬されている場合が日本では多いと思うが、歴史的にはそうでもなかった時代があったらしいし、中国では今でも医師の社会的地位が必ずしも高くないことが多いと聞く。所詮、職業の社会的地位など、時代によって変わるものであるから、差別していたら、自分が将来差別されることにもなりかねない。