一経営者の四方山話

個人的に関心を持っているイシューについて考えたことを書いています。経営、経済、文化、学問など多岐に渡ります。

「眠ったら死ぬぞ!」は嘘

仕事で登山関係の書籍を最近よく読んでいる。『登山のABC 山のエマージェンシー』(木元康晴著、山と渓谷社、2014-08-05)を読んでいたら、あるページで驚いた。

登山中に仲間の一人が滑落したら、上から「おーい、大丈夫かぁー!?」と声をかけてはならないんだそうな。万が一、頸椎にダメージがある場合、そのかけ声に応えるために首をひねって、状況を悪化させてしまうことがあるからなんだそうな。落ちた本人も体のどこが怪我しているか、最初は分からないものね。
あえて上から声をかけるとしたら、「おーい、首を動かすなよぉ~!」ということを最初に言わないといけないか。

ちなみに、よくドラマでは冬山で遭難などして「眠ったら死ぬぞ!」と言って仲間を励ますシーンがあるが、実際はそんなことないらしい。
確かに重篤な低体温症になると眠るように死んでいくが、そうなってしまってはいくら体を揺り動かそうが、相手に眠るなと叫んだところで無理。すでに眠る、眠らないの問題ではないのだ。
実際に遭難なり、ビバークなり、することになった場合は、しっかりと眠る努力をして体力を温存/回復させたほうがよい、とのこと。眠って寒いと目が覚めてしまうので、十分暖かい恰好をして眠ることがお薦めだが。

また、離れたところにいるイノシシを追っ払おうとして石を投げると、むしろ向かってくることが多い、という記述もある。なかなか参考になる本だ。