一経営者の四方山話

個人的に関心を持っているイシューについて考えたことを書いています。経営、経済、文化、学問など多岐に渡ります。

駅のデザイン

『駅をデザインする』(赤瀬達三著、筑摩書房、2015-02-10)という本を読んだ。各国の駅のデザイン(建物だけでなく、路線図とか道標とかも)を比較して論じたものだ。あらためて思ったが、日本の駅のデザインも悪いわけではないのだが、世界でも断トツにデザインが悪いのが新宿駅
そもそも中央本線、中央線快速、中央・総武線(各駅停車)の違いの認識は東京に長年住んでいる人にとっても難しい。ましてや外国人観光客は大変だ。私ですら、京王線京王新線を先日間違ってしまった。また、急行や特急に乗る時は追加料金が必要な場合とそうでない場合があるが、その区別をどうやってするのかを外国人に聞かれて答えに窮したことがある。
「(新宿駅では)JR七路線は並列する八本のホームに分かれて発着していて、そのホームごとに個別の屋根が架けられている。このため全体的な状況が分からず、様子が見えるのはせいぜい隣のホームだけだ。これがもし、英国鉄道の駅やミュンヘン中央駅のように、全体を高い屋根で覆うことにしたら、ホーム相互の見通しはずっとよくなる。サインの工夫次第で、乗り換えも格段に分かりやすくなるはずだ。」(p.185)
ただし、これをやろうと思うと、今ではお金がかかりすぎてできることではない。要するに、駅のような、比較的大規模な公共空間を作る時には、最初のうちにデザインをよく考えておかないといけない、ということだ。後で大規模に変更するとなると、お金の問題と工事期間中利用者に迷惑をかけることになる、ということだ。

ニューヨークのGrand Central Stationのように、駅の天井が高いと気持ちがいい。フランスのTGVの駅とかも天井が高い。
天井が低いと圧迫感があって、みすぼらしい感じになる。そういうところを通る時は、私のように背が高いと頭をぶつけそうな気がして、ちょっとストレスフル。地下鉄の駅の天井が低くなるのは理解できるが、地上を走る鉄道の駅は天井を高くしてほしいもんだ。

名古屋駅のサイン(道案内の看板)の問題も書いてあって、東山線名古屋市営)に乗り換えるような人への案内が極端に小さく見にくい。「名古屋マリオットアソシアホテル」とか「ジェイアール名古屋タカシマヤ」の方向指示情報は大きくある。身内企業への案内は重視しているのね、と言われてもJRは反論できないだろう。