一経営者の四方山話

個人的に関心を持っているイシューについて考えたことを書いています。経営、経済、文化、学問など多岐に渡ります。

自分自身のバイアスを自覚することが大切

社会的にハンディキャップを背負っている人たち(深刻な病や身障者を抱える家庭、極度な貧困、シングルマザーなど)に対する社会保障の充実に最も反対する人たちって、そういうハンディキャップを経験しながらも懸命に努力して、いわば立派と言える人生を成し遂げてきた人たちだったりする。
「私だって、あなた方と同じ悲惨な環境だったのよ! それでも必死にがんばってここまでやってきたの。甘えるんじゃないわよ」と。確かにそれ自体は美談なのではあるが、社会保障は「平凡な努力でも生きていける環境作りや支援」であって、「非凡な努力を求める」ことではないと思う。
要するに、人は自分ができたことをできない人を過小評価する傾向にあり、自分ができないことをできる人を過大評価する傾向にある、ということなんだろう。会社の人事考課時に部下とかの評価の時にこういうバイアスがあることを自覚することが必要だ。

会社で部下に対して「勉強不足だよ」とか「だらしないなぁ」とは思うのだが、私がやってきた(非凡な)努力をその人たちに対して「やって当然のように期待」するのも間違いだよなぁ、と考えてしまった。