一経営者の四方山話

個人的に関心を持っているイシューについて考えたことを書いています。経営、経済、文化、学問など多岐に渡ります。

失敗力とリスク耐性

「自分がやったことは大体失敗してきた。しかし、ときにはびっくりするくらいうまく行くことがある。それを味わうと何回失敗しても怖くない」(大村智、2015年ノーベル医学・生理学受賞)という言葉を知ると、要するに失敗に対する感性を低くして、いわば「失敗力」を高めることが大切だな、と思う。
事をなすには、終始楽観的であることが大切なんだけど、悲観的に準備しておくこともリスク管理という意味では必要。この悲観と楽観のバランスをいかにして適切に保つか、ということが難しい。
私の場合、もともと超楽観的な人間だけに、悲観的に準備するのが性に合わなかった。でも悲観的に準備することが仕事の一部になってしまったので、強制的に悲観的に考えて手を打っておく必要が生じ、その結果、両方のバランスを何とかとれるようになったけれど、それでも悲観的に考えるのは結構意識してやらないと忘れてしまいがち。
今までの自分の人生を振り返ると、客観的には「リスクを取りすぎ」だと思うんだけど、結果的にはOKという人生。こういう人についていくには、それなりにリスク耐性がないといけないが、自分が取っているリスクを教えてあげないのも、リスク耐性の少ない人への思いやりなのかもしれない。