一経営者の四方山話

個人的に関心を持っているイシューについて考えたことを書いています。経営、経済、文化、学問など多岐に渡ります。

自分が持っている前提を疑う

1900年のニューヨーク市では、一日あたり1100トンの馬糞、220キロリットルの尿が路上に垂れ流されていた。市内では毎年何千頭もの馬が死亡し、市当局が腐って膨れあがった死骸を片づけなければならなかった。都会において馬が諸手を挙げて歓迎されていたわけではなかった。
1896年にはアメリカですでに100万台以上の自転車が売れたのに、車の時代の到来を予見できた人はほとんどいない。1900年にジャーナリストのマーク・サリバンは30年後に当時を振り返り、「街中でめったに馬を見ることのない時代が来るなど、とうてい信じられない予言に思えた」と語っている。
ずっと持っている「前提」を疑うことは、人間は極めて不得手、ということか。とりあえず不得手であることを自分で認識することが第一歩で、それからは「前提を疑う」習慣を身につけていく努力を重ねるしかないか。