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一経営者の四方山話

個人的に関心を持っているイシューについて考えたことを書いています。経営、経済、文化、学問など多岐に渡ります。

企業の新陳代謝力とベンチャー企業の出口戦略

「誰に向かって何を売るビジネスを営むのかという事業の「立地」や、売ると決めたものを売ると決めた相手にデリバリーするまでのプロセス(これを私は事業の「構え」と呼んでいます)は、思い立ったからといって、簡単に変えられるものではありません。だから、戦略性が高いのです。」(『どうする? 日本企業』三品和広著、東洋経済新報社、2011−08−18、p.25)
 
確かに誰に何を売る、というのは比較的容易に変えられるが、その売り方を変えるというのは変更が困難なため戦略性が高い。JTBのように全国に営業拠点を築いて営業力で勝負するという売り方が「明日からネット販売主体にします」とはできない。でもB2C主体に売っていましたが、今後はB2B顧客だけを相手にしていきます、と顧客を変更することだったらJTBには実行可能なはずだ。
アスクルのように顧客への直接配送を主体にしている会社が「アスクルストアという物理店を全国に展開します」と意思決定しても成功がおぼつかないだろう。
しかしその「事業の構え」も「事業の立地」(=市場や顧客)も、どちらもいつの日か陳腐化する。そうなってしまうとどれだけ製品を改良しても、オペレーションを強化しても歯止めがかからないことになる。
となると、企業の長期的繁栄の鍵は「新陳代謝力」ということに尽きる。
ネットワーク機器のシスコシステムズが新興企業の買収ばかりやって新陳代謝しているように、既存の日本の大手企業もベンチャー企業をどんどん買収していけばいいのに、と思う。でも大手企業の買収担当者に言わせれば、「魅力的なベンチャー企業がないんだよね」とよく言ってくる。
ベンチャーキャピタル側に言わせると「米国ではIPOもあれば大企業に売却というexitもある。しかし日本では事実上IPO以外のexit戦略がないのが問題」とも言ってくる。
その意味では、ニワトリータマゴの問題なのか。となると、どちらかがアクションをとるしかない。