人生の成果と幸福
エジソンによれば「天才は1%のひらめきと99%の汗(one percent inspiration and ninety-nine percent persipiration)」だそうだが、1%のひらめきがないと99%の努力は徒労に終わるとも言える。自分が何の才能を持っているかをできるだけ早いうちに知っておくことが一番その人の人生の成果(output)を左右するのかもしれない。つまり
人生の成果=f(自分の才能を知るタイミングの早さ, その才能の深さ, その後の努力, 運)
という関数があるとした場合、一番変数として才能を知るタイミングの早さが決定的なくらい重要なのかもしれない、ということだ。
たとえば、幼少にして野球の才能があることを知ったイチローは、その後の人生をその才能を開花させることに最適化して人生を過ごしてきたから、あの成果があるわけで、自分の才能がどこにあるかを40歳で知ったのでは野球選手としては遅すぎる。
本人のためにも、社会のためにも、才能は開花させたほうがいいのは一般論としては妥当だろう。
子供の教育をしていて思うが、たとえば算数が50点で他の科目が全部80点だとすると、親は本人が不得手な算数にフォーカスしてその後勉強させがちだ。これはアプローチとして間違えているのではないかと思う。人生で効率のよい成果を出していくためには、得意なものを伸ばし続けることに注力したほうがよい。しかし日本の学校教育制度はそうなっていないのが問題だが。
ただし、才能の開花と本人の幸福感とはさほど相関関係もないのではないかと想像している。私の両親は私から見ると特に何かすごい才能を開花させた感じは私からは見えないが、極めて幸福感を持って生きている。このへんが人生効率性一本やりでいいわけではない、という当たり前の事実を教えてくれている。