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一経営者の四方山話

個人的に関心を持っているイシューについて考えたことを書いています。経営、経済、文化、学問など多岐に渡ります。

右翼左翼、右派左派が無意味な時代

私の政治思想そのものは保守主義にもっとも近いのだと思うのだが、歴史的にはリベラルの言ってきたことの多くがのちに正しいことを証明してきた、という理解をしている。
どういうことなのか、と言うと、たとえば婦人参政権とかはリベラルが主張して実現して、今では当たり前であり、堕胎の権利に関してもリベラルが主張して実現している。LGBTの結婚の権利とかもリベラルが主張していて、まだ広く認められているわけではないが、おそらくは今から20年後あたりには当たり前のようになっているのかもしれない。

自由民主党の歴史は保守主義の歴史ではなくリベラル派の歴史であったと言ってよい。「右翼のドン」的存在イメージのある岸信介氏が実際に総理大臣としてやったことは、国民皆保険・皆年金の導入、最低賃金法の制定、など非常に「左翼的」「社会主義的」政策。自由民主党のイメージとは裏腹に実際にやってきたことは相当リベラル寄りの政策が多い。言葉を変えると「労働者寄り」とか「金持ちいじめ」的政策を実現してきた、と言える。したがって「保守本流」とか言うのは全くナンセンスだと言える。「リベラル本流」もしくは「左派本流」と言えよう。
もちろん外交面では、反共・親自由主義陣営ということで歴史的には右派であったとは思うが、経済政策・社会政策に関しては相当なリベラル寄りであり続けてきた。政党名の英訳がLiberal Democratic Partyであって、Conservative Partyではないのが実態をよく表しているのかもしれない。アメリカ英語的にはLiberal Democraticといったら「急進左派」的イメージであって、保守党のイメージではない。

安倍首相の政策を見ると、右翼とか左翼とか右派だとか左派だとかいう表現が本当に日本には当てはまらない感じがする。
彼のことを極右とか言う人がいるが、彼の唱えている経済政策は(税収は少ないのに)「大きな政府」を目指しており、金融緩和だの欧州左派がよく主張しているような政策。私から見るとかなりリベラル寄りの経済政策と言える。その一方で、外交面では右派寄りの政策を実現しようとしているように見える。

もう右派だとか左派だとか全体的にレッテルを貼れる時代ではなく、個別の政策ごとに判断していかないといけない、と考えた次第。その意味で政党や候補者に投票するのではなく、政策ごとに投票する方が実態に合っていると思うので、いちいち投票所に行かないで済むネット投票とかを早く実現してほしいもんだ、と思う。